【オピニオン】プーチン氏の「核の脅威」は本物
ロシア大統領は米主導の秩序に対する世界規模の戦争を仕掛けている

――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト

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 訓練が不十分で、統制がとれず、補給が不足するロシア軍が戦場で撤退している中でさえ、ウクライナでの戦争がより広範な紛争に発展する危険性は高まり続けている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、自国の軍事的立場の弱体化に対応するため、ウクライナ国内で支配権を争う4州を「併合」し、ウクライナでの戦闘はロシアの生存のための戦争であると宣言し、核攻撃の脅威を高めた。西側諸国はこれらの動きと、欧州の消費者向けにロシア産ガスを輸送するバルト海のパイプラインに対する破壊行為に注目している。ジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)はロシアに対し、核兵器が使われればロシア軍に壊滅的な結果をもたらすと警告し、北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長も2日午前、同じメッセージを発した。

 バイデン政権は、1962年のキューバ・ミサイル危機以来最も危険な国際的対立に急いで対処しようとしているが、プーチン氏の視点で世界情勢を見る必要がある。そうして初めて、核による威嚇をどの程度真剣に受け止めるべきか、いかにして適切な対応を立案すべきかが分かるはずだ。

※略※
https://jp.wsj.com/amp/articles/putins-nuclear-threat-is-real-11664862163