疑惑のチェスプレイヤー、調査の結果100以上の試合で不正をしていた可能性

ついに調査の手が入り、チェス界が震撼。

先日、チェス世界王者が相手の不正疑惑への抗議として試合放棄をしたニュースがありました。しかもおしりにバイブレータを仕
込んで、そこへ外部から信号を送らせてたのではないかいう衝撃の疑惑でした。今回はその続報です。
そこまでして勝ちたいか?

疑惑のチェス・グランドマスターは19歳のハンス・ニーマン氏。Chess.comが調査を行い、それをウォール・ストリート・ジャーナ
ルが記事として発表しました。その調査内容によると、ニーマン氏は少なくとも直近2年前まで100以上のオンラインの試合で外部
からの指示をもらう不正行為を行っていたであろうとのこと。オンラインの試合だけでなく、対面の試合でもニーマン氏の勝率に
は数多くの「不規則性」が確認できるという調査結果でした。

調査書には「ニーマン氏が100以上のオンラインチェスのゲーム、そして賞金のかかったイベントでもおそらく不正をしていただろ
うことがわかりました」と書かれています。また調査には、ニーマン氏が勝率を上げるために露骨に行われた不正の実例が記された
ニーマン氏宛の手紙も含まれているとのことです。

ニーマン氏は、2020年にChess.comの役員Danny Resnsch氏に電話で「不正を行ったことがある」と告白していました。ニーマン氏の
不正は、例えばプレイ中にニーマン氏がパソコンの画面で新しいブラウザを開くと同時に怪しい動きをすることがあり、おそらく
不正にチェスエンジンを使って一番いい手を調べていたと考えられる行動なのだそうです。さらに「ニーマン氏が優れたチェスプレ
イヤーであることは間違いないのですが、彼の勝率は統計学上異常すぎるのです」とも調査結果には書かれています。
異常な高勝率

少し時計を巻き戻しましょう。この不正疑惑が話題になったのは、チェスの世界王者マグヌス・カールセン氏がニーマン氏に世界
大会で53連勝中に負けてしまうという番狂わせがあった直後、カールセン氏が大会を棄権したときでした。これは不正があったと
いうカールセン氏の無言の訴えでした。大会後にカールセン氏は、Twitterで「話せば大きな問題になる」とツイート。その数週間後
に奇しくもまたカールセン氏とニーマン氏はオンラインでの対局があったのですが、このときもカールセン氏は一手動かしてすぐ
に棄権してしまいました。これも無言の抗議だったわけですが、先週ついにカールセン氏は一連の棄権についての声明を発表。

カールセン氏の声明には「ニーマン氏はずっと昔に数回不正をしたことがあると告白していますが、もっと多くの不正をしていて、
つい最近もしていると私は思っています。彼の対局での勝率上昇は普通ではないし、世界大会で対戦した際、彼は重要な一手でも
まったく緊張感がなく、むしろ対局自体に集中していなかった印象でした」と書かれています。
https://www.gizmodo.jp/2022/10/cheating-in-chess.html