「今日こそは投げるのか?」
「なんだ、やっぱり投げないのか……」

 そんな期待と不安を交錯させる右腕がいる。明星大学4年、谷井一郎だ。

大谷翔平、松井秀喜、イチローとMLBの歴史に名を残した偉大な日本人選手の名前が全て入っていることにもスケールの大きさを感じてしまうが、何より目につくのが豪快なフォームだ。

 左足を高々と上げ、トルネード気味にテイクバックを大きく取り、目一杯腕をしならせて投げる。個性の塊のようなフォームで豪速球を次々とキャッチャーミットに叩き込んでいく。

 MAXは159キロ。現在のアマチュア球界でもちろんトップの数値で、アマチュア時代の球速ということだけで言えば、大船渡高時代の佐々木朗希(ロッテ)が叩き出した163キロに次ぐのでないかと評されている。

「逸材」と呼ばれてもおかしくない存在だが、どうしてかここまで大きな脚光を浴びていない。ツチノコとまでは言わないが、首都大学野球2部リーグの舞台で「現れるかどうか」とヤキモキさせている理由はどこにあるのか。

「今の環境を抜け出したい」
 
はっきりと言ってしまえば要因は、コントロールの悪さだ。それでもロマンを抱かせるのは、他の誰でもない「谷井一郎にしかないもの」を持っているからである。そこには彼のルーツや置かれてきた環境が大きく関わっている。

(以下ソースに続く)
https://number.bunshun.jp/articles/-/854858

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