26歳で「早発閉経」と診断された。結婚発表した千種ゆり子さんが今、伝えたいこと。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a9d386ed50b5c12597f4e28784c70bb8067f552f?page=1

早発卵巣不全。いわゆる「早発閉経」と診断されたのは、
もうすぐ27歳の誕生日というタイミングだった。

卵巣の中には原始卵胞と呼ばれる「卵子の卵」があり、
生まれた時が最大で、年齢とともに減っていく。
早発閉経の人は、この減少のスピードが極端に速く、
40歳未満で排卵しなくなってしまうのだという。

聞いたこともない病名だったが、病院の先生の
「妊娠は難しいかもしれない」という言葉は強く印象に残っている。

「幼い頃から『早く結婚して子どもがほしい』と夢見ていたので、
それが難しいと知ってすごくショックでした」

生理が来ないことに気づいたのは、診断よりも2年8カ月ほど前。
2012年、東京で24歳の夏を迎える頃だった。

(中略)

排卵を誘発するため、毎日夜7時に自分で注射を打つ。

「当時は結婚を考えるような相手はいなかったけれど、
『いつかは子どもがほしい』という夢を諦めきれませんでした。
病院の先生からも『まだ若いから卵子さえ採れれば妊娠できる可能性は高い』と励まされ、
卵子が採れたら凍結しようと思って不妊治療をし始めました」

卵胞が育っているか調べるために週に一度は病院に行き、結果を聞いては落ち込む。

期待して、落ち込んで、期待して…と、気持ちがジェットコースターのように乱高下した。

赤ちゃん連れで出産報告をする同僚の姿に、心がザラつくような感覚に陥ったこともある。
後から彼女も不妊治療をしていたと知り、素直に祝福できなかった罪悪感を噛み殺した。

14人に1人は体外受精で生まれる時代。誰にも打ち明けられずに不妊治療をしている人は、
きっとたくさんいるのだろう。

苦しい気持ちを日記に綴ったり、カウンセリングに通ったり…。
仕事と不妊治療の両立が難しい理由の一つは、メンタルのバランスを保つ苦しさにあるのだと思う。

2017年から最先端の治療法を試すことができる病院に移り、
卵巣内に卵子のもととなる原始卵胞がどれくらい残っているのかを調べる手術を受けた。

「お腹に小さな穴を開けて片方の卵巣を取る腹腔鏡手術で、入院は4日ほど。職場には言えませんでした。

結婚していないのに不妊治療を受けていると説明するのもややこしく、
健康状態が悪いと思われて番組を降ろされるんじゃないかという不安もありました」

結果は、「原始卵胞が残っている可能性はかなり低い」。

不妊治療を諦めることを決めた。29歳だった。