ロシアのラブロフ外相は11日、ウクライナへの侵攻を巡り、米国を含む西側諸国との協議に前向きな姿勢を示した。ただ、協議に向けた真剣な提案をロシアはまだ受けていないと述べた。
ラブロフ外相は国営テレビのインタビューに対し、8カ月目に入ったウクライナ侵攻を終結させる方法について米国やトルコなどと協力する意思があると表明。米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官を含む米政府当局者が、米国は協議に前向きだがロシアが拒否していると述べていることは「虚偽だ」とし、「ロシアは協議に向けた真剣な申し出を受けていない」と述べた。
ロシア軍がウクライナ軍の反転攻勢により後退を余儀なくされる中、ラブロフ氏は西側との協議に対するロシアの受動的な姿勢を強調する形となった。
ラブロフ外相はまた、米国が主要20カ国・地域(G20)会合の場で米ロ首脳会談の開催を提案すれば、ロシアは拒否せずに検討すると表明。「ロシアは会談を決して拒否しないと、これまでも繰り返し表明してきた。提案があれば検討する」と述べた。
トルコが西側諸国との協議を仲介する可能性については、ロシアは和平交渉に関するいかなる提案にも耳を傾けるとしながらも、結果に結びつくかは事前に明らかにできないと述べた。
ロシア外務省のザハロワ報道官は、ロシアと西側諸国の和平交渉の開催を巡り、トルコから外交ルートを通じ提案を受け取っていないとしつつも、状況は「ダイナミックに」変化していると述べた。
プーチン大統領は13日にトルコのエルドアン大統領と会談する予定で、西側諸国との協議に関するトルコの提案について協議するとみられている。
米国務省のプライス報道官は定例記者会見で、ラブロフ外相はロシア軍がウクライナにミサイル攻撃を行った数時間後にこうした発言を行ったと指摘。「協議に向けたポーズを示しているだけで、この戦争に終止符を打つために必要な対話と外交を行うための建設的で正当的な申し出とは考えられない」と述べた。
戦争終結に向けた協議は最終的にはロシアとウクライナが行わなくてはならないとし、「ロシアが対話と外交に真剣であることを示したいなら、まず攻撃を止める必要がある」との考えを示した。
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