最近、メタバースはどうなっているのだろう? 評価額10億ドル以上の大手2社を見てみると、データは毎日利用するユーザーは少ないことを示している。


DappRadarによると、Decentraland(ディセントラランド)の過去24時間のアクティブユーザーは38人、競合のThe Sandbox(ザ・サンドボックス)は522人。


なおDappRadarはアクティブユーザーを、ユニークなウォレットアドレスと、プラットフォームのスマートコントラクトとの相互作用と定義している。例えば、DecentralandやThe Sandboxにログインし、それぞれのネイティブ仮想通貨ディセントラランド(MANA)、ザ・サンドボックス(SAND)を使った購入行動は「アクティブユース」としてカウントされる。


つまり、DappRadarがまとめた1日あたりのアクティブユーザーには、メタバースにログインして、メタバース内を歩き回ったり、バーチャル・ファッション・ウィークのようなイベントに立ち寄る人は含まれていない。同時にメタバースは、人々がNFTを取引するような場所ではといえそうだ。


DappRadarによると、Decentralandの過去最大のデイリーユーザーは675人だった。The Sandboxはもう少し多く、4503人だった。
計測方法に異議

Decentralandのクリエイティブ・ディレクター、サム・ハミルトン(Sam Hamilton)氏は、DappRadarの1日あたりの「アクティブユーザー」の計測方法に異議を唱えている。


「DappRadarは我々のユーザーを計測しておらず、我々の(スマート)コントラクトとやりとりした人だけを計測している」と同氏は述べ、Decentralandには1日あたり平均8000人のユーザーが存在すると付け加えた。だが同氏は「アクティブユース」の詳細は明らかにしなかった。


ハミルトン氏は、Decentralandのユーザー数は3月にピークを迎え、「観光客や見物客」はそれ以降減少し、「毎日利用するコア・コミュニティが成長している」と指摘した。


ハミルトン氏によると、Decentralandのユーザー数はコミュニティが構築したダッシュボードで正確に把握できるという。データは「1日あたりのユニークビジター」を計測し、7日、14日、30日、90日などさまざまな期間でチェックできる。ダッシュボードを見ると、10月3日から9日の間、Decentralandの「1日あたりのユニークビジター」は6999人となっている。


当記事公開後、Decentralandは9月に「1074人のユーザーがスマートコントラクトとやりとりした」とツイッターに投稿、「月間アクティブユーザー」は5万6697人と記した。なお「アクティブユーザー」を「ログイン後、区画から移動した人」と定義している。


The Sandboxも、DappRadarの指標に異議を唱えた。共同創業者兼CEO、アーサー・マドリッド(Arthur Madrid)氏はDappRadarの指標はユーザー間の取引やNFTの一次販売のみを反映し、他の有意義なエンゲージメントを反映していないと述べた。さらに、The Sandboxは、多くの指標を使ってアクティブユーザーを計測していると付け加えた。


「ショッピングモールのレジでお金を支払う人の数だけを計測すると考えてみてほしい」とマドリッド氏。「(その数は)多くの人が行き来していないことを意味しない」。


マドリッド氏は、オンチェーン取引を計測しても、プラットフォーム上のユーザー数は把握できないとその後、ツイートした。


アクティブユーザーの計測方法についてDappRadarにコメントを求めているが、当記事執筆時点までに返答はなかった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3bb8f7e9f2f6b5d9ceb8440905153cab7e0cdec6