日本経済の低迷は「消費税」が原因?データで見るこの国が「貧困化」したワケ
https://news.yahoo.co.jp/articles/278fbeab084058aa28eeec89605d9444fc3e9b3a


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給料が上がらない、正社員になれない、物価が上がり続ける、中小企業が儲からない……。
共著『消費税減税ニッポン復活論』を上梓した、元内閣官房参与の経済学者・藤井聡氏と、気鋭の公認会計士・森井じゅん氏は、日本経済が長らく低迷しているのは「消費税」が原因であると指摘する。
その根拠を、多数のデータを引用しながら、藤井氏が解説する。
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韓国にも追い抜かれた初任給の額
写真:現代ビジネス

藤井消費税のせいで日本は大変に貧困化してきた、という事実があるのですが、まず最初に実際、我々がどれだけ貧困なのかというお話から始めたいと思います。

[図表1]のグラフを見てください。いまや日本の入社一年目の年収というのは、韓国以下になっています。スイス800万円以上、アメリカ630万円以上、ドイツ530万円以上、ノルウェー450万円以上、シンガポールや韓国でも300万円前後ですが、日本は262万円。ものすごく貧乏なんですね。

図表1
https://i.imgur.com/fEash5m.jpg

ちょっと先進国とは言えないような状況になりつつあり、我々よりも貧困なのは台湾や中国、タイなど。中国というのは、お金持ちもいますが平均で見ると、すごく貧しい国ですから、それぐらいになっているということですね。

いつからこうなっているのかというと、[図表2]のGDP(国内総生産)のグラフを見るとわかります。GDPとは、日本経済の規模をあらわす指標で、その年に生産されたモノやサービスの総額であると同時に、国民全体の所得の合計値であり、国民全体の支出の合計値でもあります。

そのGDPが、ご覧のように1980年から1997年までずっと伸びていたんですね。当然、1980年までは高度成長期の時代ですから、もっと激しく伸びていました。

戦後一貫して伸びていたのに、1997年から全く伸びなくなっている。なぜ伸びなくなったのか。消費税が増税されたからですね。僕が消費税が極めて重大な問題を抱えた税制だと思ったきっかけになったのが、このグラフでした。消費増税が原因で、これだけ所得が下がってきているということが、このグラフを見れば明らかです。消費税がすべての元凶なんですね。

その結果、どうなったかということをあらわしたのが[図表3]のグラフです。97年のピークまでは諸外国と同じペースで成長していたのに、日本が97年の増税で伸びなくなった一方で、諸外国はそのまま伸びていっています。

かつてアメリカと日本は10:7ぐらい、ほぼアメリカに匹敵するぐらいの経済力を日本は持っていましたが、いまや日本が1に対して、アメリカが4という状況になっていますし、中国も日本の2倍以上の規模になって、完全に国力に差がついてしまって、ますますその格差は広がり続けています。