このexitの力が弱いことが、日本の賃金が上昇しない、唯一、最大の理由である。辞めないんだったら、経営側は賃金を上げる必要はまったくないようなものだ。出世争いをさせて、同じ賃金水準で働かせればよい。「シュウカツ」(就活)に命を懸けて、正社員の立場を得たらほっとして、「これで一生安泰だ、もう社畜だな」、などと嬉しそうに半ば自虐しているからダメなのである。雇用保障を得て、賃金上昇を捨てるのであれば、これはもう自業自得だ。

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