高級食パンブームを起こすつもりはなかった 乃が美のパンを日常食にするために「変えること」と「変えないこと」

なぜブームになったのか分からない

 高級食パン専門店の乃が美は2013年に創業し、現在では47都道府県に約250店舗、海外では台湾に1店舗を展開している。乃が美が店舗を増やす一方、競合する他社も店舗を増やしていくことで、高級食パンブームが全国で起きた。

 ただ、ここに来て他社では店舗の閉鎖も目立つようになり、ブームに陰りが見えたとメディアで伝えられることが多くなった。高級食パンのリーディングカンパニーである乃が美が現状をどのように見ているのかを小林氏に聞くと、「ブームを起こすつもりはなかった」と意外な答えが返ってきた。

 「もともとなぜブームになったのか、正直なところ当社では分かっていません。ブームを起こすという観点では考えていませんでした。

 推測で言えば、今までになかった高級食パンに関心を持っていただいて、商品として気に入っていただいた結果、店舗に行列が出来ました。そこに競合他社が加わることで競争が生まれ、メディアの方も取り上げやすくなったことで、目を向けてもらえる方が増えてブームが起きたのかなと思っています。

 ただ、ブームは一過性なので、いつか終わると思っていました。当社の姿勢は変わっていません。環境だけが変化したと思っています。その変化を見ているだけではしようがないので、当社としてお客さまにどのような貢献ができるのか、何を発信すべきかを考えたのが、4月以降の取り組みです」
https://news.yahoo.co.jp/articles/65c0c54ad3d979885037f8b2913329c6683f022c