原材料費などの値上がりが影響し、スタッドレスタイヤ価格が例年になく高騰している。まもなくタイヤ交換する時期だが、県内の主要販売店は価格高騰を理由に古い冬タイヤをはき続ける動きを懸念する。自動車部品などの専門家は耐用年数を超えたタイヤは溝が減ることはもちろん、弾力性が落ちて摩擦力が低下するとし「継続使用できるのか、慎重に判断して」と呼びかけている。

主要メーカーは今年2回、夏と冬のタイヤを3~8%程度値上げした。酒田市のホリ・コーポレーションの担当者は「輸入に頼っているゴム、ホイールのアルミなどの原材料が高くなり、輸送コストも掛かり増ししている」と説明する。

一般的にスタッドレスタイヤは3、4シーズンで性能が低下し、更新する必要がある。寒河江市のガソリンスタンドの男性店長は「買い換えるべき状態でも、見送る人が例年以上にいるかもしれない」と話す。日用品に比べ単価が高く値上げ額が大きいタイヤは、消費者の節約の対象になるのではと懸念する。

日本自動車連盟(JAF)によると、冬タイヤは雪や氷の上でグリップできるよう夏タイヤより軟らかいゴムで作られている。一般的に接地面は走行5千キロごとに1ミリ減り、3~3.5ミリの摩耗で交換時期を迎える。減りが進むとブレーキの利きの悪化、タイヤの空転、カーブでの横滑りなどの危険が増すという。

山形市のミスタータイヤマン山形西(小柴康太郎店長)で29日午前、新しいタイヤに付け替えた同市の60代男性は「4シーズン使ったタイヤの溝が浅くなっていた。値上げの後でも命には代えられない」。小柴店長は「探せば比較的安価な商品もある。気軽に相談してほしい」と話した。

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