福井県の六呂瀬山1号墳は「北陸最大の前方後円墳」 全長143mと確定、継体天皇につながる墓
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福井県坂井市教育委員会は11月4日、同市丸岡町上久米田―下久米田の山中にある国史跡「六呂瀬山古墳群」の発掘調査で、1号墳の全長が143メートルと確定し、北陸最大の前方後円墳であることが判明したと発表した。さらに1号墳東側の遺構「張り出し(造り出し)」部からは、家形埴輪(いえがたはにわ)の部材として格式の高い棟飾り「鰹木(かつおぎ)」や小型の壺が見つかり、祭祀が行われていたことも確認され、1号墳は北陸随一の王の墓であることが裏付けられた。

 約1600年前に造成された古墳群は4基からなる。最も大きい1号墳はこれまでの調査で約140メートルと推定され、市は「北陸最大級」としていた。10月18日からの調査で1号墳南側の前方部を発掘、葺石(ふきいし)の状況を踏まえて裾部を確定した。北側の裾は2018年度調査で判明しており、市教委では、六呂瀬山古墳と同規模の秋常山1号墳(石川県能美市、全長141メートル)を2メートル上回り北陸最大とした。

 調査では、畿内の前方後円墳によくみられる「張り出し」の遺構を後円部で確認した。形状や面積は不明だが、ここから神殿を模した埴輪の屋根部分の鰹木片(約15センチ)のほか、囲形埴輪の一部など20数点の遺物が出土した。同市教委文化課は「六呂瀬の王は北陸きっての権力と財力があったと考えられ、継体天皇につながる墓であることが改めて示された」とした。

 全国の大型の前方後円墳の張り出しは、くびれの部分に造成されることが多いが、後円部で確認されるのは珍しいという。