原発事故対応すでに12・1兆円 賠償、除染、廃炉… 検査院調べ

 東京電力福島第一原発事故後の11年間で、賠償や廃炉作業などの事故対応にかかった費用が約12・1兆円に上ることが、会計検査院への取材でわかった。政府は事故の対応費用を総額21・5兆円と見込むが、廃炉作業は難航し、処理水の海洋放出による風評被害の懸念もある。今後対応費用が膨らむ可能性もあるなか、すでに半分以上が使われた形だ。検査院は7日、政府に対し、費用の見込み額を検証し、見直す場合には国民負担のあり方についての説明などを求めた。

 検査院が、昨年度までにかかった費用を調べたところ、被災者らへの賠償が7兆1472億円▽除染関係が2兆9954億円▽中間貯蔵施設関連が2682億円▽廃炉・汚染水対策が1兆7019億円となっていた。検査院が18年にまとめた17年末までの費用は約8・6兆円だった。

 政府はこれまで対応費用の想定を複数回見直してきており、2016年、それまでの11兆円から計21・5兆円にほぼ倍増する見通しを示している。すでに半分以上が使われた形だ。
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