拉致問題を担当する松野官房長官は、北朝鮮から帰国した拉致被害者が暮らす新潟県と福井県の3つの市の市長と会談し、問題の全面解決に向けて、岸田総理大臣とキム・ジョンウン(金正恩)総書記との直接交渉を目指す考えを伝えました。
松野官房長官は8日午後、総理大臣官邸で北朝鮮から帰国した拉致被害者が暮らす新潟県柏崎市と佐渡市、それに福井県小浜市の市長と会談しました。

会談で市長らは、日本が北朝鮮と直接交渉を行うことを通じて、拉致問題の全面解決を行うことなどを求める要望書を手渡しました。

これに対し、松野官房長官は「5人の被害者が帰国してから20年間、1人の帰国もかなわないことは誠に申し訳なく思う」と述べました。

そのうえで「拉致問題は岸田内閣の最重要課題であり、被害者や家族も高齢化する中、日朝のトップどうしで解決に向けて進んでいく環境づくりを進めたい」と述べ、岸田総理大臣とキム・ジョンウン総書記との直接交渉を目指す考えを伝えました。

会談のあと柏崎市の桜井市長は、記者団に対し「問題発生から44年以上が経過し北朝鮮のミサイル発射という暴挙が続く中で、拉致問題の風化が始まっているのではないかという危惧がある。国には啓発も含め主体的な活動を求めていきたい」と述べました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221108/k10013884801000.html