不倫街コンの実態
家族には秘密で「セカンドパートナー」を持つ、性に奔放な人妻が急増している。なかにはマッチングアプリで20人以上と関係を持った猛者もいる。彼女たちの生態に社会学的見地から迫る。
「旦那には情はあるのよ。でも、もう愛はない。大学生の息子がいるし、家庭を壊すつもりはないけれど、私だって20代だったころのように一人の女として見られたいし、自由な恋愛を楽しみたいんです」(弘子さん)
10月31日、夜の10時を回った六本木。ハロウィンの仮装に身を包み、大騒ぎする若者をよそに、ボディラインがくっきりと浮き出た艶めかしいドレスを着た女性たちが、細い路地にひっそりと看板を出す会員制の和食ダイニングで「街コン」の反省会を開いていた。ワインや焼酎のグラスを傾ける手には結婚指輪が妖艶に光っている。そして、彼女たちを4人の20代の男性たちが取り囲んでいた。女優の吉田羊似の弘子さん(仮名・50歳)がこの反省会の主催者だ。
「ついさっきまで銀座の展望レストランで既婚者限定の合コンに参加していたのだけど、私たち4人はイイ男を捕まえられなかったの。だから、こうしてマッチングアプリで出会った若い子たちに2万円程度のお車代を渡して、二次会に来てもらっているのよ。
ここにいる女性たちは、商社マンやキャリア官僚の妻。最年長は私で、一番下は34歳かな。私は専業主婦だけど、他のみんなはキャリアウーマンで、経済的に自立しています」(弘子さん)
秘密の会合で若者を……
当初は合コンでどの男性が魅力的だったか、なぜもっとアプローチを仕掛けなかったのか、などと女性同士で盛り上がっていたが、酒が進むにつれて、話題は家庭の話へと移り変わっていく。
「旦那が左遷されて、出世ルートから外れた」
「息子が今年、大学受験なんだけど模試の結果がよくない」
「姑に小言を言われるから、正月に夫の実家に行くのが億劫なの」
人妻たちが愚痴をぶちまけるのを親身に聞く若い男性たち。すると、参加者の一人が「あなたは本当に優しいのね」と、甘ったるい声で呟き、男性に顔を近づける。それから、親密そうな会話を交わした後、「最近、欲しいものはないの? お車代に色を付けてあげるから、どこか別の場所でゆっくり聞かせて」と、彼女は男性の腕を取り、店を出ていった。
それを皮切りに個室の中は空気が一変する。男性へのボディタッチが増え、なかには周囲の目も気にせず、キスをする女性もいる。時刻が0時に近づくにつれて、一人、また一人と人妻たちは男性と手をつなぎ、店を出ていく。
最終的に残ったのは、男女2名ずつ。一人の人妻は酔いつぶれ、テーブルに突っ伏して眠っていた。すると、香織と名乗る夫人がこう話し始めた。
「どこかゆっくりと休める場所で飲み直したいところだけど、この子を介抱しなきゃいけないから、今日はひとまず、ここで帰してあげる。近いうちにまたお誘いするね」
そして、店を出ると、男性たちにハグをして、迎車のタクシーへと乗り込んだ―。
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