もったいない「ロスパン」専門店が誕生 前日売れ残り、100円安く販売

 前日に売れ残ったパンを「ロスパン」として安価で販売する専門店が10月、京都府八幡市男山に開店した。食品ロス削減のコンセプトやお得感をアピールし、評判になっている。

 同市のほか、城陽市(本店)や大阪府に計4店舗を構えるパン屋「Riz brun(リブラン)」が営む。代表の大川健太さん(36)によると、その日の売り上げ見通しや天候で製造量を調整しても、1店舗あたり50個ほどは売れ残ってしまうという。パンの消費期限は2日間で、すぐには廃棄せず、これまで各店は翌日に価格を下げて販売していた。

 近年問題視される食品ロス対策に本格的に取り組むため今回、昨冬オープンした八幡店を、ロスパンだけを取り扱う店にリニューアルした。他の3店舗で売れ残ったパンを閉店後に集め、翌日に八幡店でまとめて販売する仕組みだ。

 八幡店では開店時、菓子系や総菜系、半斤分の食パンなど前日に焼かれたパン50種類ほどが並ぶ。個包装されたパンは4個500円単位で販売し、客が好みの組み合わせで購入する。1個当たりは元値より最大100円ほど安くなる。店頭では当日中の消費や冷凍での保存を勧めている。

 大川さんによると、ロスパンとの言葉になじみのない客がいる一方、説明を受けて趣旨に賛同する人も多いという。「ロスをどうにかしたいと思っている店は他にもあるはず。1店舗で取り組むのは難しいが、今後他店からもロスパンが持ち込まれるセレクトショップのような店になればうれしい」と広がりを期待している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/25411001f58283525515b7adad9c3e98f982989d