SNSで知り合った女性を脅して性的暴行を加えたとして、強制性交や強制わいせつなどの罪に問われた、性犯罪加害者の更生支援をうたう一般社団法人「さなぎの樹(き)」の代表理事、松本学被告(49)に対し、大阪地裁は16日、懲役10年(求刑懲役12年)の判決を言い渡した。中川綾子裁判長は「脅迫によって抵抗を困難にさせた悪質な事案」と述べた。

判決によると、松本被告は2020年8月、女性(当時21)の携帯電話に、女性の裸の動画と「完全にとらわれの身だよ」などのメッセージを送って脅し、女性宅で性的暴行を加えた。19年9月にはマッチングアプリで知り合った女性(当時19)にも、女性の裸の動画の拡散をほのめかすメッセージを送信して脅迫し、胸を触るなどした。

 中川裁判長は「巧妙かつ卑劣な犯行手段は、身体的暴行を手段とした事案を上回る悪質さだ」と述べた。

 判決は、被害者らが金銭を対価に性的行為をすることは容認していたとしつつ、「意に反した行為を強要される理由はない」とし、被告側の無罪主張を退けた。

松本被告は昨年6月にさなぎの樹を設立。法人登記によると、目的に「性暴力の加害者が、再加害を防ぐための治療共同体の運営」「犯罪被害者に対する支援」などを掲げていた。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASQCJ66M2QCJPTIL00R.html