「好きな囲いはない」藤井聡太竜王が竜王戦七番勝負で示す「玉周り」の未来[指す将が行く]

 藤井聡太竜王が広瀬章人八段に快勝し、シリーズ3勝目を挙げた第35期竜王戦七番勝負第4局は、対局前日に興味深い出来事があった。
福知山城天守閣をバックに、歓迎に訪れた将棋好きな子供から「好きな囲いは何ですか」と無邪気な質問を受けた藤井竜王。
「実は好きな囲いというのはあまりなくて」と率直に答えた。隣の広瀬八段は、藤井竜王の本音に思わずうなった。
それは将棋の「囲い」の未来を示す言葉だったからだ。

 同じ質問に対し、先に答えることになった広瀬八段は「(好きな囲いは)穴熊かな。
昔、私が得意だった戦法で、王様が堅くて、みんなも1回はやったことがあると思うけど。やっぱり穴熊には個人的に思い入れがあります」と、
お兄さんぽく児童らに語っていた。広瀬八段の振り飛車穴熊は2010年に、初タイトルの王位獲得の原動力となった戦法だ。

https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/20221117-OYT8T50070/