「Z世代は中国に好感」世代で分かれる好感度の理由
岸田政権「嫌中世論」に頼る対中外交の危うさ

岸田文雄首相が2022年11月17日、バンコクで中国の習近平・国家主席と3年ぶりの日中首脳会談を行い、悪化する関係の「仕切り直し」に入った。岸田氏の対中改善には、嫌中世論と関係改善に否定的な自民党右派の「2つの壁」が立ちはだかる。しかし「嫌中世論」と言っても、18~29歳のZ世代の中国好感度は、なんと40%超にも上り世代格差が広がる。Z世代の政治的意思が選挙のカギを握り始めた世界の潮流をみると、「嫌中世論」と「右派」ばかりに頼る岸田外交は危うい。


Z世代の4割超が「中国に親しみ」

悪化するばかりの対中観だが、内閣府が毎年はじめ発表する「外交に関する世論調査」をチェックすると極めて興味深い数字が浮かび上がった。2022年1月発表の「日本と中国」の項目を見ると、中国に「親しみを感じる」は全体で20.66%(前年比+1.4ポイント)。「親しみ感じない」は79.0%(+1.7ポイント)と予想通りの数字だ。

しかし、これを世代別にみると、いわゆる18~29歳代のZ世代で「親しみを感じる」割合はなんと41・6%と高く全体の倍以上。60歳代(13・4%)や70歳以上(13・2%)と比べると、世代差がいかに広がっているかわかる。

なぜ世代によってこれほどの開きが生まれるのか。


https://toyokeizai.net/articles/-/634413?