https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-22/RLPXRXDWX2PS01

キャシー・ウッド氏はコインベース株買い増し継続、ウォール街の信頼低下でも

米国最大の暗号資産(仮想通貨)交換業者コインベース・グローバルに対するウォール街の信頼が弱まっても、著名投資家キャシー・ウッド氏の動きを阻むには至っていない。それどころか、ウッド氏はサム・バンクマンフリード氏が率いていた仮想通貨交換業者FTXの破綻を機にコインベース株を買い増している。

  ブルームバーグの集計データによれば、ウッド氏が運用するアーク・インベストメント・マネジメントの複数のファンドは11月初め以降、コインベース株を130万株余り購入。21日の株価に基づくと5600万ドル(約80億円)に相当する。これによりアークの保有株数は19%前後増え約840万株と、コインベースの発行済み株式数の4.7%程度に上る。

 アークが今月初めてコインベース株を購入した8日以降数日間は、米インフレ率が予想より鈍化しリスク資産が世界的に急伸した流れを受けて同社株は回復を見せていたものの、上昇は短命に終わった。株価はその後下落基調となり、21日には前週末比8.9%値下がりし上場来最安値を更新した。FTX破綻の余波がどこまで広がるかを巡り、投資家の不安が高まっている。
  ウォール街では過去半年間の大部分にわたり、アークがコインベースへの関心を強めているのとは対照的なムードが広がっていた。バンク・オブ・アメリカ(BofA)や大和証券などのアナリストらが今月、コインベース株の投資判断を引き下げたことで、「買い」に相当する投資判断はわずか14件と、2021年8月以来最少となった。