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“宇宙空間”でも“核廃棄物”のなかでさえ生き延びる…「地球上でもっとも洗練された生命体」とは?

洗練された生命体
 地球の物語では、はじめの二〇億年のあいだ、もっとも洗練された生命体は、細菌(バクテリア)の細胞だった。

 バクテリアの細胞は、単体だろうと、シート状につながって海底を覆っていようと、シアノバクテリアの天使の毛のような長い繊維状だろうと、とにかく単純そのもの。

 一つひとつは小さく、ウッドストックでお祭り騒ぎする人たちと同じくらいの数のバクテリアが、ピンの頭に余裕で収まるほどだ。

驚きの適応力
 顕微鏡で見ると、バクテリアの細胞は単純で特徴がない。

 でも、この単純さにごまかされてはいけない。

 その習性や生息場所の点から見ると、バクテリアは非常に適応力に優れている。

どこにでも住む
 ほとんど、どこにだって住むことができるのだ。

 人間の体のなか(や体の上)にいるバクテリア細胞の数は、その人間の細胞の数よりもはるかに多い。

 重い病気を引き起こすバクテリアもあるけれど、私たちは自分の腸内に住み、腸内環境を整えてくれるバクテリアの助けなしには生きていかれない。

核廃棄物のなかにも…
 また、人間の体内は酸度や温度の変化が大きいにもかかわらず、バクテリアからすれば穏やかな場所だ。

 沸騰したヤカンの温度を、うららかな春の陽気のように感じるバクテリアもいる。

 原油や、人間に癌を引き起こす溶剤、さらには核廃棄物のなかでさえ繁殖するバクテリアもいる。

宇宙空間でも…
 真空の宇宙空間や、過酷なまでに極端な温度や圧力でも生き残り、塩の粒のなかに閉じ込められて何百万年も生き延びるバクテリアもいる。