黒人女性たちの話によると、精子バンクのサイトでは黒人ドナーのバイアルを巡って熾烈な競争が繰り広げられており、通常は数分で売り切れてしまうという。

ワシントンDCで教師をしているアンジェラ・ステパンチッチは、過去にオンラインサイトで黒人ドナーのバイアルをショッピングカートに入れたが、そのとき電話でやりとりしていた社交クラブの仲間にチェックアウトで先を越された。ステパンチッチは結局、ラテン系ドナーの精子でミックスの子供をもうけた。

カリフォルニア・クライオバンクのハイメ・シャモンキ最高医療責任者によると、同社では需要の高い白人ドナーの場合、待機期間は一般的に3ヵ月だという。ところが、黒人ドナーの場合は1年半待ちになることもある。

不足の理由は多岐にわたる。精子バンクが黒人ドナーを募集できていないこと、ドナー登録するには3世代前までさかのぼって病歴を提出する必要があること(質の高い医療を受けられない黒人男性には難しい場合がある)、重罪歴があるとドナーになれないこと、差別の歴史から黒人男性が医療従事者を信頼していないことなどが挙げられる。

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