半導体はかつて日本の得意分野でした。1988年の半導体売上高では日本が世界の50%を超えていました。
そのころはNEC、東芝、日立製作所、富士通などが世界の売上高トップ10の常連でした。
ところがその後、日本のシェアは徐々に下がり、2019年の世界シェアは10%にまで落ちています。
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日本メーカーが強かったのはコンピューターのデータを記憶するメモリーの分野だったのですが、
メモリーは量産品となり、コンピューターの演算処理をこなす中央演算装置(CPU)などの
「ロジック」とよばれる半導体が主役になってきたためです。

アメリカの半導体市場調査会社がまとめた2021年の世界の半導体メーカー売り上げランキングでは、
トップは韓国のサムスン電子で、2位はアメリカのインテル、3位は韓国の SKハイニックスです。
日本勢では、電源を切ってもデータが記憶されているナンド型フラッシュメモリーを得意とする
キオクシア(旧東芝メモリ)が2020年には9位に入っていましたが、2021年にはトップ10から消えました。

このランキングでは半導体の受託生産会社は除かれていますが受託生産会社を含めると、
世界最大手の受託生産会社であるTSMCは上位に入るとみられています。
半導体に細かい回路を書き込む技術では他の追随を許さず、世界で最先端を走る半導体メーカーとして
今最も注目されているメーカーです。
https://asahi.gakujo.ne.jp/research/industry_topics/detail/id=3407