1990年代に一世風靡したマンガ『SLAM DUNK』の映画『THE FIRST SLAM DUNK』が大ヒットしています。
実に26年ぶりに映像化され、かつてファンだった人が大勢映画館に詰めかけています。原作の色褪せない魅力といまだにこれだけ多くの人を魅了していることに驚かされた人もいるのではないでしょうか。
近年、かつての人気タイトルをリメイクする動きが盛んです。
現在、TVでは『うる星やつら』が放送中ですし、少し前には『SLAM DUNK』と同じく90年代に人気だった『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』も放送され、人気を博しました。
来年には、『るろうに剣心』や『TRIGUN』などの再アニメ化も控えています。
なぜ、このような旧タイトルを再びアニメ化する動きが増えているのでしょうか。
そこには、日本社会の人口動態の変化とマーケティング的な事情が関わってると考えられます。
中略
リメイク企画の増加は、日本社会の変化の反映でもあります。
日本は少子高齢化の進行が先進各国のなかでも早く、若い世代の減少が深刻な課題となっています。
年代別の人口構成がいわゆる「逆ピラミッド」になりつつあるなか、娯楽産業も高い年齢層に支持される作品でないとヒットを生み出しにくい社会構造になりつつあるのです。
ブシロードの木谷高明社長もこの点を指摘し、今ヒットを生み出すには40代くらいの層を取り込むことが大切だと語っています。
「20代は層が薄いのです。20代と40代の人口を比べると40代が1.4倍です。
しかも40代の約4分の1は独身で、20代の2倍以上の金額をエンタメに使っていると言われます。
トータルで考えると、20代と40代のマーケットサイズは1対4ということになる」(※1)
若い世代の人口減少という事態はアニメ産業だけでは解決できない問題であり、現状に対して対応していくしかありません。
今のアニメ産業の売上はこうした年齢層に支えられている部分が大きく、お金を出せる人に届くコンテンツを作るという方向になるのは、ある程度必然とも言えます。
また、企画を立てる側の人たちの変化もあるでしょう。
40代くらいになると、社内で意思決定したり企画を動かしたりできるポジションになる人もいるでしょう。
今の40代から30代後半の人たちは、90年代の深夜アニメブームを青春時代に体験していますから、当時ハマったアニメやマンガを自分で再び作りたいと考える人がいてもおかしくないでしょう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4a8c4784185a097f1d18cc51c5992dddb38f22e6?page=2