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職員が平手打ち、裸の下半身撮影…障害者施設で虐待、青森県が監査へ

青森県は28日、外ケ浜町の知的障害者支援施設「かもめ苑」で、職員が利用者を平手でたたいたり、下半身の動画を撮影したりする虐待があったと発表した。県は施設に対し、ほかに虐待が疑われる事案がないか、1月上旬までに報告するよう指示した。事実確認を進めたうえで、監査に入るとしている。

 県障害福祉課によると、職員の1人が10月9日、おやつのお菓子を配る際に、男性利用者のほおを平手打ちした。利用者にけがはなかった。12月10日には、別の職員が別の男性利用者の裸の下半身の動画を撮影し、知人にメッセージアプリで送信していたことも確認された。

 二つの事案は現場を目撃した系列施設の職員や関係者が施設側に相談し、施設側が県に報告した。動画を撮影した職員は施設側の聞き取りに「面白半分でやった」と話しているといい、既に退職した。平手打ちをした職員も12月末で退職予定という。

 県健康福祉部の工藤康成次長は「短期間で虐待事案が複数発生し、誠に遺憾で、重く受け止めている。事実確認を進め、適正運営を指導していきたい」と述べた。

 かもめ苑は社会福祉法人「平舘福祉会」が運営し、利用者は82人。2015年にも職員が利用者の顔を殴る虐待が発生し、県の指導を受けていた。