Whataboutismは、自身の言動を批判された者が、直接疑問に答えるのを避けて話題をそらす論法のことである。
いわゆるお前だって論法と同様に相手の言動にも自身と同様の問題があることを指摘して批判自体の正当性を失わせようとすることを意味する場合のほか、無関係な第三者の言動に話をそらす場合も含めてWhataboutismと呼ぶことがある。

冷戦時代に用いられたソビエト連邦(ソ連)のプロパガンダの手法(英語版)であり、ソ連が西側諸国から批判された際、決まって西側諸国における出来事を挙げて “What about...?”(––こそどうなんだ?)と返答することから名づけられた。
その後、2010年代に入るとアメリカ合衆国大統領のドナルド・トランプが一貫してこの論法を使用していると指摘されるようになり、さらにSNSでの議論にも必要とされたことで “Whataboutism” という語の使用頻度が増えていった。

日本語では、「そっちこそどうなんだ主義」と表記されることもあるが、Whataboutismの語義と異なるとする批判もある。
なお、Whataboutismの論者のことは “Whataboutist” と呼ばれる。