北海道斜里町の知床半島沖で4月23日、観光遊覧船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故。これまでに20人の死亡が確認され、いまだ乗客6人の行方が分かっていない。

 事故発生から約2週間が経過した5月上旬、亡くなった男性と親しかった人物が、「桂田社長だけは絶対に許せない」「落とし前をつけてやる」とまくし立てたという。襲いかからんばかりのけんまくだったそうだが、周囲の懸命な説得もあって事なきを得た。

 渦中の知床遊覧船の桂田精一社長(59)は、自宅付近の工事関係者に「見知らぬ人が来たら教えてよ。迷惑だから。こっちは迷惑をかけられただけ」と漏らしたというから、犠牲者と親しかった人物が「許せない」と思ったのも無理もない。

 最近、桂田社長は、経営する複数の宿泊施設と自宅の間を、愛車のアクセルを踏み込んで、猛スピードで行き来しているという。

「危なっかしくて仕方ありません。あれだけの事故を起こしておきながら、よくもまぁ、我が物顔で生活していられるものです。行方不明者の捜索を手伝った漁師にお礼もなく、まるで他人事。〈誰にも迷惑なんてかけてないし、何も知らん〉という態度です」(近隣住民)

 今シーズンの運航を終えた知床の観光船の利用客は例年比70%減。観光客数も大幅に減り、事故は世界自然遺産のある町に深刻なダメージを与えた。

「公の場には顔を出さないだけで、桂田社長はこれまでと何も変わらない生活を送ってますよ」と、地元関係者がこう続ける。

「一度、幼稚園から中学校まで同じ地元の同級生たちと、町の今後について話し合いの機会があった。その時も『迷惑をかけました』とか、謝罪の言葉がひとつもなかった。出席者は皆、さすがに呆れ返っていました。捜索活動にかかった費用も負担せず、遺族に対しても何の行動も起こさない。一体、どんな神経をしているのかと、憤懣やるかたない気持ちです」

 第1管区海上保安本部は1月中にも、桂田社長を業務上過失致死容疑で立件する方針だ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9c636a68a23b4ec0dc500386e52221818a65f8fe