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何か良いことあった? 2022年振り返り 海外の自動車ライターが選ぶ「最高の思い出」
AUTOCAR英国編集部のライターたちが2022年を振り返り、「最高の思い出」として選んだのは、クルマ同士をぶつけ合う乱闘レース、親友とのドライブ旅行、新型ミニバンの予想外の走りの良さなど、バラエティに富んだものとなった。
自動車業界が大きく変化した激動の年でも、変わらないものがある。それは、クルマから得られる永遠の思い出とシンプルな喜びだ。英国の自動車ライターが選ぶ最高の瞬間を、ともに見ていこう。
ジム・ホルダー
高級車にも乗れるという幸運な人生の中で、今年最も記憶に残っているのは、科学者ギル・プラット氏と過ごした1時間だ。トヨタ・リサーチ・インスティチュートのCEOであるプラット氏は、「限りあるバッテリー資源を、CO2削減のために最大限利用すること」を提唱し、場合によってはEVよりもハイブリッド車を優先することを明言している。
こうした姿勢は、世界各国の方針と相反し、EV推進派を怒らせるものだろう。とても勇気のある発言であり、ほぼ必然的に彼自身とトヨタを「利己的」「遅い」「時代に逆行している」といった批判にさらすことになる。
彼は正しいかもしれないし、間違っているかもしれない(彼自身、確信が持てないことを認めている)が、変革を実現させるにはチャレンジャーが必要だ。保守的で有名な世界最大の自動車メーカーが、批判も承知でそれに名乗りを上げることは、わたし達全員のメリットにつながるはずだ。
ジャック・ハリソン
「ジャガー・スポーツXJR-15でビスター・スクランブル(英国の自動車イベント)に行きませんか?」というInstagramの素敵なメッセージが印象的だった。トム・ウォーキンショーが開発したこのモンスターマシンに、僕はいつもうっとりしてしまう。
ル・マンを制したXJR-9をベースに、ワンメイク・シリーズに参戦したモデルだ。静粛性皆無の6.0L V12エンジン、硬いレーシングサスペンション、ヘッドセットが必要なほど騒々しいキャビンなど、XJR-15は道路を走ってはいけないようなクルマである。
でも、本当に良かった。回転域が上がっていくときのエンジンの唸り声は忘れられない。笑顔が止まりなくなる。実現させてくれたデイヴィッド氏とルード氏に感謝。
ジョン・エヴァンス
オーバルのサーキットで、剣闘士のように派手にペイントされた12台のハッチバックが文字通り「激突」している光景を見て、血が騒がないわけがない。この夏、わたしはオールダーショット(イングランドの町)でバンガーレース(クルマを破壊し合う競技)を取材した。ハンドルを握ることはできなかったが、繰り広げられる大乱闘を見ているだけでもスリリングだったし、参加者たちに会えたのも嬉しかった。
古いクルマが手に入りにくくなり、価格も上がっているため、バンガーレースは衰退しつつあるという噂もある。だが、わたしが観戦したときは、人数は減っているというものの、多くの観客がクルマとドライバーに声援や怒号を飛ばしていた。
忘れられない光景は、左の後輪が車体に対し直角に曲がったヴォグゾール・コルサが、迫ってくるライバルをスターターモーターの動力で邪魔しているところ。わたしだったら怖い。コルサの運転手? 彼は笑っていたよ。
ピアス・ワード
取るに足りない出来事でもいいだろうか? 1月のある日、午前3時45分のこと。お尻の右側が痺れて目を覚ました。寝ている間に誰かに局所麻酔薬を打たれたんじゃないかと心配になったほどだ。
原因はマクラーレンGT。いや、本当に悪いのは、マクラーレンGTの乗り心地を確かめようと、24時間も車内に閉じこもった愚かなライターである。
しかし、GTは、快適性と優れたハンドリング、そして楽しいステアリングを見事に融合させた素晴らしい性能を発揮した。ノース・ウェールズまでドライブして、夜が明けるのを待ちながら景色とV8を楽しんだのはいい思い出。キャンピングカーとしては、理想的とは言えない。次回はプレミア・イン(英国のホテル)に泊まりたい。
レイチェル・バージェス
伝統的なモーターショーが黄昏時を迎えているように見えるのは、とても悲しい。それでも、10月のパリ・モーターショーのように、どんなに小規模でも、明るい照明、熱気あふれる会場、あらゆる実車に触れられること、そして一流の自動車会社の重役と自由に話せることから、わたしはできるだけ長くしがみつこうとしている。
ステランティスのボス、カルロス・タバレスCEOが次期排出ガス規制ユーロ7の導入をやめるようドラマチックに訴えかけたり、ルノー・グループのルカ・デ・メオCEOがプロトタイプの5ターボ3Eを量産するためにクラウドファンディングをするかもしれないと冗談を言