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ニューラルポケットがタイ進出 人流や交通量をAI解析

人工知能(AI)を使ったサービスを手掛けるニューラルポケットはタイ市場に参入する。AIを搭載したカメラを現地の商業施設や道路に設置し、人流や交通量を解析する。タイでは最先端のデジタル技術を用いた都市開発が進んでおり、主導する財閥系企業などの需要を取りこむ。今後5年でタイ事業で30億円の売り上げを目指す。

11月上旬にタイ法人を設立した。2020年にシンガポールに支店を設けており、海外では2拠点目となる。シンガポールは新型コロナウイルス感染拡大で事業活動できておらず、本格的な海外展開はタイが初めてとなる。

タイ事業を足がかりにシンガポールでも事業を軌道に乗せ、3年以内にアジア地域で3カ国目の進出を見据える。インドネシアやマレーシア、ベトナムを候補としている。

ニューラルポケットはデータをカメラ側で処理する「エッジAI」と呼ばれる技術を使った解析事業を展開する。顧客は解析から商業施設がすいているときにリアルタイムでクーポンを発行したり、交通情報から都市計画を立案したりできる。

ニューラルポケットはどんな環境で撮影された映像でも解析できるように、AIの学習データとしてあえて画質を落とした画像を用意するなど工夫をしてきた。日本国内で展開するAIを基に、タイでの画像データも追加学習させて解析精度を高める。

エッジAIではカメラで撮影した映像をその場でAI解析し、テキストデータのみをクラウドに送り保存する。タイではプライバシー保護の観点から、個人データの収集や管理を制限する法律が施行されており、エッジAIのサービスの需要は高いと判断した。