「残業規制に、どう対応するのか」。

準大手ゼネコン・戸田建設の大谷清介社長は2022年の10月から11月にかけて、経営方針説明のために全国の同社支店を巡回した。その際、ベテランから若手に至るまで多くの社員から受けたのが、冒頭の質問だった。

建設業には2024年4月から、「働き方改革関連法」に基づく時間外労働の上限規制が適用される。特別な事情がない限り、時間外労働を月45時間、年360時間以内に収めなければならない。違反した場合は刑事罰の対象になる。

建設業の企業にとって、この「2024年問題」への対応は待ったなしの状況だ。残業規制により作業員の労働時間が減れば、例えば4人の作業員で担当していた工事現場に、今後5人、6人の作業員が必要になる場合もある。https://toyokeizai.net/articles/-/638530