黒澤映画をリメイクした『生きる LIVING』英国アカデミー賞4部門ノミネート

黒澤明監督の映画『生きる』(1952年)を第二次世界大戦後のイギリスを舞台にリメイクした『生きる LIVING』が、「2023年英国アカデミー賞」(通称:BAFTA)にて、英国作品賞、脚色賞(カズオ・イシグロ)、主演男優賞(ビル・ナイ)、ライジング・スター賞(エイミー・ルー・ウッド)の4部門でノミネートされた。英国時間19日に発表された。授賞式は、英国時間2月19日に開催され、受賞者が発表される。
同映画は、サンダンス映画祭、べネチア国際映画祭、サン・セバスティアン国際映画祭、トロント国際映画祭、東京国際映画祭といった世界各地の映画祭で上映され、昨年よりさまざまな国で公開され、日本では3月31日に公開予定。
脚色賞にノミネートされたカズオ・イシグロは、小説「日の名残り」、「わたしを離さないで」などで知られるノーベル賞作家。若かりし頃にこの黒澤映画に衝撃を受け、映画が持つそのメッセージに影響されて生きてきたと語っている。そんな彼が脚本を手がけ、この鬱屈した時代に新しい『生きる』を誕生させた。
監督は2011年に『Beauty』(原題)でカンヌ国際映画祭のクィア・パルムを受賞したオリヴァー・ハーマナス。『ラブ・アクチュアリー』、『アバウト・タイム 愛おしい時間について』、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどに出演しているイギリスの名優ビル・ナイが主演を務め、本年度のオスカー候補の1本と言われている。
ビル・ナイは、昨年12月に発表された「第48回ロサンゼルス映画批評家協会賞」主演賞、「2023パームスプリングス国際映画祭」でインターナショナル・スター賞を受賞。先日発表されたSAG(全米映画俳優組合賞)の主演男優賞にもノミネートされている。
新人賞にあたるライジング・スター賞にノミネートされたエイミー・ルー・ウッドは、主人公が新しい一歩を踏み出すきっかけを作る、元部下のマーガレットを演じた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7309329d9089126636594778318487e3ee43e657

あらすじ
1953年、第2次世界大戦後のイギリス・ロンドン。役所の市民課に勤めるウィリアムズ(ビル・ナイ)は、毎日同じことを繰り返し、仕事に追われる自分の人生にむなしさを感じていた。ある日、医師からがんで余命半年であることを告げられる。
最期が近いことを知った彼はこれまでの味気ない人生を見つめ直し、残された日々を大切に過ごして充実した人生にしたいと決意する。やがて、彼の変化は無関心だった周囲の人々をも変えていく。