ハーバード卒芸人パックン「給料の3割は投資しなさい」…自販機の100円ジュースを買うと3200円損する理由

「節約なんてまわりくどい」と思っている人は、「節約こそが一番確実な儲け方」だと今すぐに考え直しましょう。英語のことわざに、「A penny saved is a penny earned.(1円の節約は1円の儲け)」というものがありますが、今でも僕はこの精神で、いかにお金を節約するかを考えています。

 たとえばタクシーに乗ると往復1000円かかるとしても、もし自転車で移動することができれば1000円の節約になりますよね。カフェラテを3杯我慢しても1000円くらいの節約になります。これは1000円儲けたのと同じです。

 やってみるとわかるけど、自分で働いて1万円稼ぐのは結構大変です。手取りで考えると、コンビニのバイトで1時間以上働かなければもらえない。だけどタクシーを自転車にすれば、同じ儲けを得られます。しかも、いい運動にもなるしね。
 100円を節約したら、「100円分我慢した」ではなく「100円儲かった!」と考えよう。そのほうが、きっとハッピーになれるよ!

 節約のポイントになるのは、無理をしないこと。僕は子どもの頃から節約が身についていたので、今もあまり苦労なく節約できます。細かい出費はいちいちチェックしていないのですが、それでも月の支出が収入を超えたことはほとんどありません。

 でも、おそらく多くの人は、何かしら節約の目安があったほうがいいと思います。そこで一つ参考になるのが、アメリカのファイナンシャルアドバイザーがよく勧めている「5・3・2の法則」。月々の収入を次のように割り振ろうという考えです。

・5割:生活費
・3割:投資
・2割:自由に使える娯楽費

 たとえば手取りの月給が30万円なら、15万円を生活費に、9万円を投資に、6万円を自由に使うという感じです。では、早速やってみてください!
不思議なことに、人間は「これだけのお金がある」と思うと、めいっぱい使ってしまいます。30万円あると思えば30万円を使うけれど、20万円しかないと思えば20万円で済む。不思議だよね。だから、最初に投資資金を抜いておくことが、無駄遣いを防ぐためにもっとも効果的なのです。
 そして、お金を払うときに「その価値があるのか?」ということをシビアに考えてみて。500円払ったら、500円の価値があったか自分に聞いてみてください。僕はこういう思考が癖になっているから、自分が感じたおいしさよりも、実際は値段が高かった食事代を払うとすごく悔しくなります。

 たとえば、仕事の帰り道。喉が渇いたら、飲み物を買いたくなりますよね。ちょうど目の前の自販機で100円のボトルウォーターが売られていたら、「たった100円なら……」と思って、買う人が多いのかもしれない。

 でも、アメリカの株式市場は年間でだいたい7%くらいの利益率を見込めるので、「72÷利益率=倍増する年数」という72の法則で計算すると10年おきに投資額が倍増することがわかる。だから、今あなたが使おうとしているお金は、10年後に2倍、20年後に4倍、30年後に8倍……。そして50年後には32倍になる可能性がある。
 というわけで100円を老後計算機にかけると「50年後には3200円に膨らむ」ということに気づけます。では、50年後から現代に戻ってきてください。100円のボトルウォーターを老後計算機にかければ3200円です。

 今、あなたが自販機に何気なく突っ込もうとしているのは、1枚の百円玉ではなく、千円札3枚と百円玉2枚だ、と考えてください。そうすると、きっと我慢して「家に帰って水を飲もう」と思うのではないでしょうか。
さっきのボトルウォーターの話だと、外で頻繁に水を飲みたくなる人は、水筒に水を詰めていけばいい。日本の水道水はかなりおいしいよ!
僕は死ぬとき、お金を使い切ろうと思っていません。大好きな子ども、孫、ひ孫に向けて、僕のお金は少しでも遺したいと思っています。ということは、50年後の自分の老後だけではなく、100年後の「孫の老後」まで計算に入れて考えてもいいわけです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a52df4ad01223731b96b92aa52ede43d909ef1ba?page=1