現在日本で起きている殺人事件の過半数が、親族間で発生しているということを知っているだろうか。
実に殺人の半分以上が、肉親による犯行なのである。

親族間の殺人でも、昔から一定数あったのが、親が幼い子供を殺す「子殺し」である。
子殺しの発生件数は年間数十件だが、表沙汰にならない事件を含めれば300件前後あるという推測もある。
にもかかわらず、日本の刑法において、子殺しをした親に科せられる罪はさほど重くない。

出産直後の新生児を殺害する嬰児殺しの場合は、懲役3年前後。2人殺害しても懲役5~6年だ。
虐待でも揺さぶり死の場合は、無罪~懲役3年ほどで済み、無理心中(親は未遂で子供だけが死亡)の場合は執行猶予で済むことが多い。

メディアは、こうした事件の表層的な事実しか報じない。かなり大きな事件であっても、判決が出た後は報道を止める。
しかし、家族にとって問題なのは、わずか数年の短期の懲役で子殺しをした親がもどってくるということだ。
再び家族の輪に加わることになった子供を殺した親を迎える夫や他の子供、あるいは親戚の不安はいかばかりだろう。
だが、その苦悩が一般に知られることは皆無に等しい。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9c07b344058114011575a933ca4534080cb38449