睡眠は人間が生きる上で必要不可欠な要素の1つであり、生活の質と密接に関わっていることから、睡眠に関連するさまざまな説が人々の間でささやかれています。時には人間に害をもたらすことさえある「睡眠に関する8つの神話」について、科学系メディアのLive Scienceが解説しています。

◆1:チーズを食べると悪夢を見る
日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、欧米では「チーズを食べると悪夢を見る」と言われることがあります。しかし、2015年に発表された論文では、チーズを食べると悪夢が引き起こされることを示唆する証拠は見つかりませんでした。不穏だったり鮮明だったりする夢は何を食べたかではなく、衝動食いや食べ過ぎ、ダイエットなどに関連していたとのこと。

一方、2019年の論文では深夜の食事や不規則な食生活によって概日リズムが変動し、睡眠パターンが乱れてしまうことが示されており、チーズであろうとなかろうと眠る前に何かを食べると夢を見やすくなる可能性があります。アメリカの非営利団体である睡眠財団は、不規則または不十分な睡眠は悪夢を引き起こす可能性があるため、チーズかどうかにかかわらず深夜のおやつは避けた方がいいとアドバイスしています。

◆2:アルコールを摂取するとよく眠ることができる
睡眠に関する科学的なアドバイスを提供するプラットフォーム・The Sleep Schoolの創設者であるGuy Meadows氏は、アルコールには鎮静効果があるため、リラックスして早く眠るために役立つとLive Scienceに語っています。その一方で、「アルコールは記憶や感情の処理に必要なレム睡眠を減らします。レム睡眠の負債を蓄積し始めると、集中力・学習・長期記憶の定着に問題が起きるかもしれません」と述べており、アルコールは睡眠の質に悪影響を及ぼす可能性があると主張しています。また、2018年の論文では、アルコールがいびきや睡眠時無呼吸症候群のリスクを最大25%も増加させ、さらなる睡眠障害につながる可能性があることも示唆されました。

https://gigazine.net/news/20230125-common-sleep-myths-debunked/