>このころ、あかりは二度にわたって家出を試みている。あかりの通っていた高校の教師が法廷で証言したところによると、一度目は高校三年の7月末の夏休みに入ったばかりの時期で、突然教師の自宅に訪ねてきた。
>この教師はあかりのクラスの担任ではなかったが、高校二年のときに古典の授業を受け持ち、三年生のときには受験対策の個別指導の講座で国語を教えていた。読書好き、国語好きのあかりにとって、自分の気持ちを分かってくれている存在と思えたのが、この男性教師だった。教師の自宅の住所は、学校にあった名簿を見て知った。
>このとき、教師はあかりを説得してその日のうちに帰宅させている。
>さらにあかりはほどなく二度目の家出を実行した。
>夏休み中の8月下旬、再びあかりが教師の自宅を訪ねてきた。旅行から帰ってきたばかりの母と大喧嘩になり、家を飛び出してきたという。母の不在中、つかの間の「自由」を楽しんでいたあかりは、また同じ監視下の毎日が始まることに絶望し、突発的に家出を図ったのだ。

父親とか親戚は頼れなかったんかな