■東京五輪の汚職で招致活動は「一時停止」に
このように重要な候補都市である札幌だったが、昨年から噴出した東京五輪をめぐる汚職疑惑により、開催は急速に難しくなりつつある。ロイターは昨年12月、札幌市と日本オリンピック委員会が招致活動の「一時停止」を表明したと報じた。

汚職の渦中の人物は、大会組織委員会の高橋治之・元理事だ。元理事は、大会のスポンサー契約などをめぐり、紳士服大手AOKIホールディングスや出版大手KADOKAWAなど5つの企業から総額約2億円の賄賂を受け取ったとして受託収賄の罪で、東京地検特捜部にこれまで4回起訴されている。

スポンサー料の金額や交渉内容は機密性が高く、オリンピック組織委員会のなかでも取引の実態を把握していたのはごく一部に限られる。こうした密室での商談が贈収賄を行いやすい環境を形成したとの指摘がある。

東京五輪を取り巻く状況は、汚職発覚以前から非常に厳しかった。開催の6年前の2015年にはすでに、大会公式エンブレムがベルギーの劇場のロゴに酷似しているとの指摘を受け変更を迫られている。

ワシントン・ポスト紙も同様に「東京2020大会に関連した汚職事件が、もう一度日本で大会を開催しようという熱意を希薄にした」と報じるなど、五輪招致への関心が低下している現状は海外でも取り上げられている。

https://news.livedoor.com/lite/article_detail/23695449/