東京五輪談合 元次長、応札意向まとめた一覧表を上層部に提示か
2023/2/16 20:06

 東京オリンピック・パラリンピックを巡る談合事件で、組織委員会大会運営局元次長の森泰夫容疑者(55)=独占禁止法違反容疑で逮捕=が東京地検特捜部の調べに、テスト大会関連業務の入札実施前に各社の応札意向をまとめた一覧表を組織委上層部に見せたと供述していることが関係者への取材で判明した。一覧表は特捜部が談合の立証の核に据える物証。競技や会場ごとに企業の名前が割り振られていたとされ、上層部は元次長らによる受注調整を疑う機会があったのに見逃した可能性がある。

 関係者によると、元次長が一覧表を見せたと供述しているのは当時5人いた副事務総長の1人と上司だった大会運営局長。時期は競争入札を実施する流れが確実となった2018年1~3月ごろという。元副事務総長は東京都元副知事、元局長は現在は出向元の都の幹部を務めている。

 組織委は当初、自ら数万人のアルバイトを雇用して会場運営する方針だったが、コストが膨大となることなどから17年に広告大手「電通」に経費削減策の検討を依頼。電通は実績がある企業に随意契約で業務委託する方が効率的と提案した。元次長は随契案が採用されることを前提に電通側とともに各社の応札希望を確認して一覧表にまとめた。しかし、組織委内には随契案に反対する意見もあり、18年1月には競争入札で発注する流れとなった。具体的な入札方法が検討される中で、元次長が説明資料として一覧表を用いた可能性がある。

※略※

https://mainichi.jp/articles/20230215/k00/00m/040/274000c