10月から"こっそり"と電気料金に上乗せされた原発賠償金=編集部
2021年11月1日

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20211109/se1/00m/020/046000c

「賠償負担金」は、福島原発事故によって、足りなくなった賠償措置額(電力会社が原発事故賠償に備えて準備しておく資金)の不足分を、電気の消費者(国民)に負担させるものだ。不足額は2・4兆円にも達する。

 一方、「廃炉円滑化負担金」は、福島原発事故以降、各電力会社は所有する原発の一部を廃炉にする決定を行ったが、廃炉には莫大(ばくだい)なコストがかかるため、その一部を国民に負担させる。負担額は4740億円だ。

ただし、電力各社で経営状況が異なるため、託送料金に加算されても、実際の各家庭への電気料金請求では、値上げをせずに済む電力会社もある。値上げ予定の電力会社は、東北、関西、四国、九州電力の4社。このうち、東北電力は当面、値上げは行わず、上乗せ分は実質的に同社の負担とし、今後の情勢を見て値上げを検討する