賃貸と持ち家の論争って、根底には住居確保に対する
不安があると最近思うようになった。高齢になった時の
賃貸の借り難さと対になるように、高齢になった時に
住居が残るという言質が出てくるのは、その証左とも
言える。ある意味住宅政策の貧しさの裏返しという
言い方もある。

話をややこしくするのはお金がある人は借り難さが
あまりないという点。さらに余裕があるから比較的
高価な不動産も通常の金融商品と並べてみることが
出来たりする。それは余裕のない人が生涯所得の
相当割合を消尽して住居確保リスク解消に賭ける
のとあまりにも対照的だし、多分格差固定化にも
一定の影響を与えている。

最初に書いたように根源は住宅政策にあり、ある
べき姿としては、そこに手をつけ住居確保リスク
を社会として最小化し、あらゆる層が適正な資産
形成とその活用を出来るようにするのが筋論だと
自分は思う。ただ、それが可能とも思えない。
おそらく延々とこの議論は続くんだろう。

これから 10 年で色々変わりそうだけれど、この
議論だけは形を少し変えつつ生き残りそう。