日医工、過去最多221品目の販売中止 生産を合理化 行政処分から2年
3/3(金) 5:01配信

 経営再建を目指す後発薬大手の日医工(富山市)が、医薬品221品目の販売を中止すると、全国の医療機関や卸会社に通知していたことが2日分かった。販売中止を決めた品目数としては過去最多規模となる。主に富山第一工場(滑川市)で製造していた医薬品で、他の後発薬メーカーの生産体制に影響が及び、国内の医薬品不足がさらに長期化する可能性がある。

 日医工によると、販売を中止するのは、2021年3月3日に不適正製造で富山県から行政処分を受け、出荷を停止していた品目や、コストが販売価格を上回る「不採算品目」などで、今後の生産再開が困難と判断した。同社の医薬情報担当者(MR)が1日から取引先を訪ね、説明している。

 日医工は昨年末に事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)が成立した際、生産・販売を合理化する方針を示していた。同社が不採算品目などから撤退する一方、類似の医薬品を生産するメーカーが市場の需要をまかなう必要があり、負担になる可能性がある。

 日医工は販売・生産の中止について、厚生労働省や同じ成分を含む後発薬を生産するメーカーと協議したという。

 日医工は不適正製造が発覚するまで国内最大の後発薬メーカーで、最多の取り扱い品目は約1700品目に上っていた。これまでに販売中止品目を随時発表し、2日時点の取り扱いは1496品目に減っている。さらに221品目の販売が減り、1275品目となる見通しとなった。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/445fafc2a24974be3c043cd25c861ba2ed37f6fd



日医工の販売中止に薬局「前代未聞だ」 品目増加を懸念
3/4(土) 5:01配信

 経営再建を目指す後発薬大手の日医工(富山市)が221品目の販売を中止することが伝わった3日、富山県内の薬局関係者は「これほどの販売中止は前代未聞だ。どれだけ影響が広がるのか分からず、さらに品目が増えるかもしれない」と話し、薬の品切れ増加を懸念した。

 薬局経営者の一人は「約40年薬を扱ってきたが、200品目を超える販売中止は聞いたことがない」と語った。3日夜までに日医工から連絡はなく、品目を調べるため同社ホームページで情報を探した。

 中止品目を扱う薬局は代替品を手配する必要があり、西尾公秀県薬剤師会長は「患者第一で不安にならないよう対応したい」と話した。

 日医工は「医薬情報担当者が取引先に丁寧に説明したい」として、販売中止品目を公表していない。3日は医薬関係者から問い合わせが相次ぎ、ホームページが一時閲覧できなくなった。閲覧者数がシステムの限界を超えたとみられ、広報担当者は「来週中にリストを公表したい」と述べた。

  ●119品目は現行生産品

 日医工によると、販売中止品目のうち、119品目は現行生産品で、コストが販売価格を上回る不採算品を含む。残る102品目は既に出荷を停止している医薬品で、2021年の行政処分後に生産を停止した。広報担当者は「関係者に多大なご迷惑をお掛けし、おわびしたい」と述べた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5eb4a23ae4dccf779b5db77e87107a3198df1600