元海自１佐の「特定機密」漏えい、不起訴へ…検察が立証困難と判断か
安全保障に関わる機密情報の「特定秘密」を漏えいしたとして、特定秘密保護法違反容疑などで書類送検された海上自衛隊の井上高志・元１等海佐（５５）（懲戒免職）について、検察当局が、特定秘密保護法違反容疑について不起訴とする方向で最終調整していることがわかった。検察当局は、情報が特定秘密に当たるとの立証が困難と判断しているとみられる。
井上元１佐は、情報業務群（現・艦隊情報群）司令だった２０２０年３月１９日、神奈川県横須賀市の庁舎で、元海将で自衛艦隊司令官も務めた男性ＯＢに安全保障環境について口頭で説明した際、日本周辺の情勢に関して収集した特定秘密を伝えたとされる。このほか、自衛隊の運用に関する秘密情報を漏らしたとされている。
自衛隊の捜査機関である警務隊は昨年１２月、元１佐を特定秘密保護法と自衛隊法違反容疑で横浜地検に書類送検。検察当局は、関係者から事情聴取を行うなどして元１佐を起訴するかどうか検討したが、ＯＢへの説明が口頭で行われ、伝えた情報が特定秘密に該当するとの立証が難しく、起訴は困難だとの見方を強めているという。
元１佐は防衛省の調査に特定秘密を漏えいしたと認めた上で、「元司令官に畏怖の念を抱いていた」「高い地位にあった方なので、しっかりした説明をしたかった」と動機を述べている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/62650a3247161c5e3c88d227405b99fd1d024a56
