オカダ・カズチカが「1、2、3、ダーッ!」を正式継承 猪木さん遺族と盟友が指名
3/8(水) 5:16

 あの代名詞は永遠に――。昨年10月1日に死去したプロレス界のスーパースター、アントニオ猪木さん(享年79)の掛け声「1、2、3、ダーッ!」を、新日本プロレスのIWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカ(35)が正式に継承することになった。7日に東京・両国国技館で行われた「お別れの会」で、遺族と盟友から後継者として指名を受けたもの。偉大なる燃える闘魂の〝遺産〟は、プロレス界のエースが引き継ぎ、使用されることになりそうだ。

 この日のお別れの会には新日本プロレスをはじめ各プロレス団体関係者、政界関係者、猪木さんの弟子らが多数出席。オープニングで「炎のファイター」が流され、追悼の10カウントゴングが鳴らされた。

 第1部では出席者を代表し森喜朗元首相、藤波辰爾、棚橋弘至、フリーアナウンサーの古舘伊知郎の4人が登壇してお別れの言葉を述べた。最後はオカダと猪木さんの孫・尚登さんが「1、2、3、ダーッ!」の掛け声で締めくくった。

 実は、この場面は猪木さんが残した〝無形文化遺産〟継承の儀式でもあった。実弟の猪木啓介さんは本紙の取材に「猪木さんの『ダーッ!』が、このまま終わってしまうわけにいかない。猪木家の孫と、新日本のトップを走っているオカダ選手が、あの場面で継承したものだと我々遺族は思っています」と説明する。

 さらに「もちろんこれからも使い続けてほしいし、オカダ選手がやってくれることで、100年続いてほしいと思ってます。新日本プロレスのエースが引き継いでいくものの一つに『ダーッ!』があると。一種の後継者ですよね」と希望した。

 オカダを継承者に推す声はプロレス界からも上がっている。あまりにも有名な掛け声が誕生したのは、1990年2月10日の新日本東京ドーム大会。同大会で坂口征二と組んだ猪木さんが蝶野正洋、橋本真也組に勝利した後のリング上で叫んだのが最初の「1、2、3、ダーッ!」だった。

 当時のパートナーにして、猪木さんの盟友でもある新日本の坂口相談役は、追悼大会として行われた今年の1月4日東京ドーム大会のメインを務めたオカダに「ダーッ!」で締めくくることを進言していたことを明かす。「『勝ったら1、2、3、ダーッ!で締めだよ』って言ったんだ。オカダも分かってくれてて。いいんじゃないの。誰も彼もやっていい話じゃなけど、オカダが継承してやっていってもらいたいよね」と期待を寄せた。

 これらの声を受けたオカダも決意を固めた。「ご家族の方や坂口さんからそう言ってもらえるのはありがたいですし。僕は猪木さんと深い関係になれなかったですけど、あえて継承させていただいて、また猪木さんを探っていく道として、自分自身も『プロレスとは何か』というものを見つけられるように進んでいきたいと思います」と表明。すでにレインメーカーとして「カネの雨が降るぞ!」の決めゼリフがあるため、どのような形で使われていくのか、今後の展開に注目が集まる。

「『1、2、3、ダーッ!』って猪木さんのものでもあるし、新日本プロレスのものでもあるし、プロレス界のものでもある。どんどん歴史をつないでいけるものになればと思いますね。『猪木、ボンバイエ』も(オリジナルは)『アリ、ボンバイエ』だったわけじゃないですか。オカダがやるのが当たり前のようになっていけるようにしていきたい。そうやって選んでもらったからには胸を張ってやっていきます」

 燃える闘魂とともに、猪木イズムは脈々とプロレス界に受け継がれていく。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/01e90b1f27ea7083ad888d20f6b8c34285bc6698