自衛隊が自前で血液製剤、有事に備え製造・備蓄…購入頼み改め隊員から採血

防衛省は新年度から、自衛隊員に輸血するための血液製剤の製造・備蓄に乗り出す。外部からの購入に頼っている現在の運用を改め、有事に備えて十分な量を確保する狙いがある。負傷した隊員の治療体制を整えることで、継戦能力の強化につなげたい考えだ。

 戦闘での死亡の多くは、失血死とされる。血液製剤の調達は負傷者の救命に直結するため、米国や英国など海外の軍隊では、自前の製造設備や備蓄施設を保有している例も多い。

 自衛隊では現在、訓練中に負傷者が出た場合など、必要に応じて日本赤十字社から血液製剤を購入している。有事の際に血液製剤が不足する懸念に加え、台湾有事で戦闘に巻き込まれる可能性のある南西諸島など島嶼(とうしょ)部では、血液製剤の輸送に支障が生じる事態も想定される。治療体制の不備が、戦力の低下や部隊の士気の減退を招くといった課題も指摘されている。
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