「コーンをしていれば触られないだろうという思い込みあった」石見銀山転落死亡事故 緊急点検では100か所以上の修繕必要箇所 

世界遺産の石見銀山遺跡で木の柵が壊れ、愛知県の女性が亡くなった事故から1週間余りとなった17日。
柵を管理していた島根県大田市の楫野弘和市長が臨時の会見を開き、管理体制について謝罪しました。

大田市 楫野弘和市長
「心からお詫び申し上げます」

会見で楫野市長は、事故の遺族らへのお詫びとともに、老朽化が指摘されてから2年近く柵がそのままとされ、コーンを置くだけの対応に留まったことを陳謝しました。

記者 入江直樹
「木の柵は撤去され、はっきり立ち入り禁止と書かれたコーンが置かれています」

事故は3月8日の午後に起きました。
観光で石見銀山を訪れていた愛知県北名古屋市の68歳の女性が、橋のたもとに造られていた高さ1メートルほどの木の柵に寄り掛かったところ、支柱のうち2本が突然折れ、女性は4メートル下の河原に転落し亡くなりました。

柵はちょうど13年前に造られましたが、老朽化の恐れがあると指摘された市は、おととし4月からコーンを置いて注意を促してはいたものの、更新工事は新年度の予定でした。

柵を管理していた大田市を警察が業務上過失致死の容疑で調べています。

大田市 楫野弘和市長
「命に関わる修繕箇所を最優先で。(反省しているのは)コーンやトラロープをしていれば触られないだろうという思い込みがあった」

楫野市長は、予算が限られ公共工事の優先順位を付ける中で後回しになってしまったと説明。

事故を受けて市が現在進めている市道の緊急点検で、これまでに傷みが見つかった橋を含む市道2本を通行止めにしたほか、観光施設などで100か所を超える修繕が必要な所が見つかり、出来るだけ早く改修していくとしました。

大田市 楫野弘和市長
「全庁で判断して優先度を決めて、なるべく早く修繕する」

再発防止に向けては、副市長をトップとして全庁横断の委員会を作り、公共施設などの緊急修繕に対応出来るようにするとしました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7b80e54b4566ffdf3bc8f7882a33cfdcd311b67f