米国のシンクタンク「戦争研究所」(ISW)は19日、ウクライナ東部ドンバス地方におけるロシア軍の攻勢が「頂点に達しつつある」一方、この数カ月間、少しずつしか成果を上げられておらず、ウクライナが主導権を取り戻す可能性があるとの分析を示した。

ISWは、ウクライナの政府関係者による、東部ドネツク州ブフレダール付近でのロシア軍の大きな損失が同州全体における攻撃能力を低下させているとの分析に言及。そのうえで「ロシア軍の攻撃のテンポは、ここ数週間で鈍化している」と改めて強調した。

 ISWによると、ロシア軍は昨年9月の部分動員で約30万人を招集したものの、この数カ月間、激戦が続くドネツク州バフムートを含めた前線で少しずつしか成果を上げられていないため、「今後の動員でさらに兵力を投入したとしても、今年のうちに劇的に異なる結果をもたらす可能性は極めて低い」という。そのため、ウクライナが主導権を取り戻し、重要な前線で十分に反攻し得る立ち位置にいるとの見方を示した。

 また、ロシアのプーチン大統領がロシア軍の占領下にあるウクライナ南東部マリウポリを訪れたことについて、「無敵の戦時指導者」と印象づけると同時に、国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を発出したことへの反応でもあっただろうとした。

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