「自立まであと一歩だったのに何故…」貧困支援の住居から夜逃げする困窮者たち

神奈川県内から来た男性。名前は林拓也さん(仮名・30代)。4か月のネットカフェ生活に見切りをつけ、プライムが紹介した部屋に2か月住んだ。石塚氏は生活保護を勧めたものの、林さんは「仕事をしているので」と断ったのだという。 そして家賃を滞納しはじめた。

「『家賃について、聞いてもいい?』と電話で切り出すと、『あ、すみません。来週のどこかで払います』と答える。次の週になって『家賃はどう?』と聞くと、『3日ぐらい待ってください』と。電話にはちゃんと出てくださるし、会話もスムーズな方なんです」(石塚氏)

 石塚氏がアパートに赴き、名前で呼びかけてもドアを叩いても出てこない。なかに林さんがいるのがわかる。そして、林さんは玄関に鍵とチェーンをかけ、籠城したのだ。やっとの思いで石塚氏が部屋に入ったときは、もぬけの殻。窓だけが開いていた。

 林さんがすごいのは、この後だ。プライムから紹介してもらった部屋から夜逃げした後、別の支援団体に顔を出し「住む部屋がないです」と相談に行っていたのだ。

「若い人ならではの行動というか。どこに行っても『何とかなる』ことを知っていて、ジプシー的にいろんなところに頼っているんですよね」(石塚氏)

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