神奈川県清川村議会(定数8)は22日、小林大介議員(37)=無所属、1期目=に対する問責決議案を可決した。決議は小林氏が議員就任後、「議会としての品位の保持を傷つけるものがあった」とする内容。小林氏は「重く受け止め、反省すべきは反省する」と述べたが、いったい何があったのか。

 小林氏は元小学校教諭で2021年4月の村議選で初当選した。現在、最年少議員だ。

 議会事務局によると、議員への問責決議は初めてだという。決議案は議員5人が提案し、議長と退場を求められた小林氏、棄権した1人を除く5人が賛成し可決された。

 提案者の城所英樹氏(54)=無所属、2期目=は提案理由で、小林氏が行政委員会への議会派遣で不適切な行動があったほか、コロナ禍における不適切行動▽学校行事参加時の不適切行動▽22年6月の定例会で伝聞に基づく不適切発言――などがあったとし、反省などを求めた。

 関係者の話を総合すると、21年秋に小林氏が村の行政改革推進委員会に未就学の子ども2人を連れて参加し、会議中に子どもが騒いで、ほかの委員から苦情が寄せられたことがあったという。

 小林氏は夫婦共働きで小学生から未就学児まで4人の子どもを育てているといい、取材に「会議の時間とお迎えの時間が重なった。(子どもが騒いだことは)その場で謝罪した」と説明した。

 小林氏によると、新型コロナウイルスの感染者が出て休園中の保育園に通う子どもが濃厚接触者かわからない状況で別の子の幼稚園の送迎に同行させたり、子どもの幼稚園の参観日に禁止されていたのに撮影したりしたことがあったという。また、議会の一般質問で村職員の退職に関し、パワハラの有無などをただした際の発言が「伝聞に基づいている」と問題視されたといい、こうした言動が問責決議につながったとみている。

 一方、小林氏を批判する議員からは「村民からの苦情もあった。氷山の一角だ」との指摘もある。

 ただ、子連れで会議に参加したことが問責理由の一つとみられることに、「問責決議まで必要なのか」と戸惑う声も漏れる。村内の男性の一人は「議会はむしろ男女ともに子育てしながら議員活動できる環境を整える必要があるのでは」と指摘した。

 議会後、小林氏は取材に「同僚議員の信頼を得られなかったのは私の不徳の致すところ。私の行動で迷惑をかけた人がいたことは申し訳ない」と話した。

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