https://mainichi.jp/articles/20230323/k00/00m/030/291000c
中米ホンジュラスのレイナ外相は22日、国交樹立について協議するため中国に向けて出発した。中国と国交を結べば台湾と断交する。台湾外交部(外務省)はこれを受けて23日、「強烈な不満」を表明。駐ホンジュラス大使を召還すると発表した。
ホンジュラスのカストロ大統領は14日、中国との国交樹立を目指すと発表し、レイナ氏はその理由を経済の再建だと説明していた。中国外務省の汪文斌(おうぶんひん)副報道局長は23日の定例会見で「中国との関係発展に関するホンジュラス政府の前向きな表明を歓迎する。平等と相互尊重を基礎に、ホンジュラスと2国間関係を構築し発展させたい」と国交樹立に前向きな姿勢を示した。
中国の習近平指導部は台湾の蔡英文政権に対する外交的な圧力を強化。台湾が外交関係を維持する国は蔡政権発足時に22カ国あったが、現在はホンジュラスを含め14カ国に減っている。断交した8カ国はいずれも中国と国交を樹立した。
一方、台湾中央通信は22日、レイナ氏が13日に台湾の呉釗燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相)に対し、ホンジュラスの債務20億ドルの返済への協力や病院建設など計約25億ドルの支援を要求する書簡を送付していたと報じた。書簡には「最後通告」と記していたという。断交を恐れる台湾の足もとを見て、巨額の資金支援を引きだそうとしていた可能性がある。
レイナ氏は22日、ロイター通信に対し、カストロ氏の発表の約1週間前に台湾側に書簡を送付したと説明。提案内容について「(ホンジュラスの)債務を台湾が引き受ける仕組みに関するものだった」と述べた。【サンパウロ中村聡也、北京・岡崎英遠】