考えてみると、コストをかけずに高度な移民の流入で利益を得るチャンスがあった。ナチスがユダヤ人を迫害した時である。多くのユダヤ人が日本にも逃れてきた。普通の日本人は、この人々に同情的であったが、高度移民として遇しようと考えたエリートはいなかった。

 一方、米国は、これこそが高度移民だと認識した。当時、米国は経済・軍事・政治大国ではあったが、知的、文化的には二流国だった。科学と文化の中心はドイツだった。ナチスに追われたユダヤ系の学者たちが米国に来ることで、米国の知の水準は一挙に高まった。

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