赤字続きの「楽天モバイル」を潰してはいけない…このままでは「スマホ代が世界一高い国」に逆戻りする

■過去最悪の4928億円の巨額赤字を計上

 「楽天モバイル」が20年春に鳴り物入りで携帯電話市場に参入してから、4月で丸3年。NTTドコモ、au、ソフトバンクに次ぐ第4の携帯電話会社は、市場活性化の担い手として期待されたが、大手3社の壁は厚く、業績不振にあえいでいる。

 売り物だった価格破壊路線が破綻し、通信品質はなかなか改善せず、激安料金に胸躍らせた顧客の解約が相次ぐ。実店舗の大幅削減や要員のリストラを余儀なくされ、そのうえ幹部が巨額詐欺事件を起こしてブランドイメージは地に落ち……そして2022年12月期決算は過去最悪の4928億円という巨額の赤字を計上した。

 楽天グループの総売上高は1兆9278億円と過去最高になったが、「楽天市場」などのネット事業782億円、「楽天カード」などの金融事業987億円の黒字を吹き飛ばし、グループ全体の連結決算は4期連続の赤字で、しかも3728億円と過去最大になった。

 このままでは、三木谷浩史会長兼社長の肝いりで取り組んだ携帯電話事業が、楽天グループの屋台骨を揺るがす「大きなお荷物」になってしまいかねない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/626dfd7d9da12106970765a3075a947bafb2af6e