【北京共同】中国軍による台湾を取り囲む地域での軍事演習は9日、日程の2日目に入った。台湾国防部(国防省)は中国軍が9日正午(日本時間同午後1時)時点で、軍用機延べ58機、艦船延べ9隻を台湾海峡周辺で活動させたと発表した。うち31機が台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」中間線を越えたり、南西の防空識別圏に進入したりした。

 台湾の蔡英文総統が訪米しマッカーシー下院議長と会談したことへの対抗措置で、中国は蔡政権への軍事威嚇を強めている。台湾海峡のさらなる緊張や、日本などへの影響が懸念される。

 台湾方面を管轄する中国人民解放軍東部戦区は8日、台湾海峡と台湾の北部と南部、東部の海空域で、軍事演習やパトロールを10日まで実施すると発表した。駆逐艦やミサイル艦、戦闘機、ロケット軍のミサイル部隊などを動員。「計画に沿った」演習とパトロールだとも説明した。8日の演習では、制海権や制空権などを奪う作戦能力を検証した。

 中国軍は昨年8月、当時のペロシ米下院議長の訪台時も、台湾を包囲する形で軍事演習を実施した。

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